【宇宙ステーションの歴史】長期滞在が可能な宇宙ステーションで探査

宇宙ステーションの歴史

宇宙ステーションの役割と目的

有人宇宙飛行の次に重要な拠点となるのが宇宙ステーションである。

宇宙ステーションとは宇宙空間(現在では地球の周回軌道上)にある、人が生活できるように設計された人工の構造物のことである。宇宙船や物資輸送船などが接続できる構造にもなっており、まさに宇宙の駅(ステーション)なのである。

主な目的は科学の研究や人の長期滞在による人体への影響の研究などである。

これまでに数々の宇宙ステーションが打ち上げられ建造されているが、現在運用中のものは2つだけである。1つは国際宇宙ステーション (ISS)でもう1つは中国宇宙ステーション (CSS)である。

これまでの宇宙ステーションの歴史

現在運用中の宇宙ステーションは2つだけだが、これまでにはソビエト連邦、アメリカ合衆国、中華人民共和国がそれぞれ複数回の打ち上げを行ってきており、国単独での宇宙ステーション打ち上げ成功は現在のところこの3か国だけである。国単独とは別に各国が協力して開発・運用している国際宇宙ステーション(ISS)がある。

世界初の宇宙ステーションを打ち上げたのはソビエト連邦

世界で初めて宇宙ステーションを打ち上げたのはやはりソビエト連邦である。計画名は「サリュート」ロシア語で「礼砲」「花火」を意味する。1号から7号まであるが途中故障のコスモス557号を含めて計8回打ち上げられている。

世界初の宇宙ステーション「サリュート1号」は1971年4月19日に打ち上げられた。ガガーリンの有人宇宙飛行が成功したちょうど10年後である。無人で打ち上げられたサリュート1号はその4日後有人宇宙飛行船ソユーズ10号とドッキングを試みるも機能故障で見送られ、6月にソユーズ11号で初のドッキングに成功して3名の宇宙飛行士が滞在しているが帰還途中での大気圏再突入時の故障により生還することはできなかった。

サリュート1号に3週間ほど滞在した宇宙飛行士は各種の実験・観測や、無重力環境が人体に与える影響の調査が行われた。

サリュート1号の大きさは最大直径4.15m、長さ13.07m、質量約18トンである。国際宇宙ステーションは全長73m、総重量は約420トンあるので比較するとサリュート1号のコンパクト差がよくわかる。

サリュート1号は約6か月間軌道上を飛行していたが電子機器の故障のため大気圏再突入措置をとられ終了している。

その2年後にサリュート2号、同型のコスモス557号が打ち上げられているが故障により大気圏再突入措置が取られている。

翌年の1974年にサリュート3号が打ち上げられソユーズ14号がドッキングして2名の宇宙飛行士が搭乗し2週間ほど地球表面の観察を行っている。

同年12月にはサリュート4号が打ち上げられソユーズ17号と18号がドッキングして計4名の宇宙飛行士が滞在している。

1976年にはサリュート5号が打ち上げられソユーズ21号と24号がドッキングし、計4名の宇宙飛行士が搭乗して地球表面の観察を行っている。

宇宙ステーションの改良により長期滞在が可能に

翌年にはサリュート6号が打ち上げられた。6号はドッキングポートを増設して宇宙飛行士の長期滞在が可能になり連続有人滞在日数は500日以上にもおよび通算で35名もの宇宙飛行士が搭乗している。約5年間の運用の後サリュート7号の打ち上げ成功を受けて大気圏再突入措置がとられ運用を終了した。

1982年、サリュート計画最後の7号が打ち上げられ計24名の宇宙飛行士が搭乗している。のちに打ち上げられるサリュートの後継機となる新型の宇宙ステーション「ミール」とランデブー飛行を行い宇宙船ソユーズT-15が両ステーション間を往復して資料や設備を回収している。サリュート7号は故障により1991年に大気圏再突入措置により運用が終了した。

宇宙ステーション「サリュート」の後継機は「ミール」

サリュートの後継機として1986年から2001年まで使用されたソビエト連邦新型の宇宙ステーションで、それまでのサリュートのような筒形の胴体単体ではなく最終的には筒形胴体が上下左右に組み合わさった複数のモジュールからなる初の宇宙ステーションである。

モジュールとは宇宙ステーションの構成部品であり分かり易い部品でいうと、電源確保のための太陽電池(パネル)などもそのひとつ。太陽電池は主船体から飛び出るパネルがイメージできるがこのパネルを組み立てるのも、宇宙飛行士の何時間にも及ぶ度重なる船外活動による。

ミールは国際宇宙ステーション(ISS)へと続く重要な機体となる。詳しくは別の機会に見ていきたいと思う。

宇宙ステーションの歴史 まとめ

・世界初の宇宙ステーション打ち上げはやはりソビエト連邦

・宇宙ステーションの目的は科学実験と長期滞在による人体への影響観察

・コンパクトな初号機から徐々に搭乗人数、滞在日数を延ばし大型複数モジュール機の打ち上げにつながる

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